高温構成品の設計の枠を超えて

賢者は皆同じように考えると言われていますが、AGAとKanthalの最近の共同プロジェクトはそのことを実証しています。 独創的に考えること、新しい形状を発見することは、耐熱素材を使った積層造形への共同進出の成果です。

Miles Cao, technical specialist at Kanthal and David Muren, Rebox team manager at AGA.

約115年前に設立されたAGAは、スウェーデン産業史の古参であり、不変のパイオニアでもあります。

「AGAはこの2年間、積層造形の可能性について検討してきました」とAGAのReboxチーム責任者、David Muren氏は言います。 「積層造形は、試作ルートを短縮する良い方法として捉えています」

こうした関心とKanthalの積層造形開発が同時期に起こり、Kanthalの積層造形と積層造形用粉末の技術スペシャリストであるMiles Caoから提携の可能性を持ちかけられると、Muren氏は共同プロジェクトとしてある特定の構成品に大きな関心を寄せました。

「それは、これまでとは違うフラットフレームを作るための、既存のバーナーノズルにとって代わる製品です」とMuren氏は言います。 「従来の製造方法を使ってこの製品を製造することを検討してきましたが、積層製造の方が速く実現できます。 実際、設計作業についてすでに話し合いをしており、Cao氏から設計に関する最初の概要を求められたので、提出したところです」

The 3D printed burner nozzle, designed by AGA and produced by Kanthal, creates a flat flame.

このバーナーノズルを製造するため、AGAでは旋盤での加工や研削など従来の除去加工法を先に試していました。

「従来の工法には、ノズル内部の点で制約があります。 気体の流れが中を通過するので、内部は最も活発に使われる部分です。 ただし、古い工法では、直径わずか12~15ミリメートルの小さい埋め込み型ノズルの内部ではなかなか作業ができません」とMoren氏は説明します。

積層造形技術なら、設計にもリーチにも制限がありません。 Caoによると、選択的レーザー溶融という最も一般的な積層造形がKanthalから提供されています。

「これは、レーザーを使って粉末の層を溶融する粉末ベースの技術です。 3Dプリンターでしか製造できないか、少なくとも従来の工法ではかなり難しい、内部導管や複雑形状などの機構を製造できるようになりました」とCaoは言います。

積層造形の高温処理に適した素材を使用することは、画期的なイノベーションです。

「当社のお客様は、鉄・クロム・アルミ合金による独自の性能を利用できます。 この材質は耐高温腐食性と耐酸化性を備えています」とCaoは言います。 「優れた高温強度があり、特にセ氏1000度以上の温度で強みを発揮します。 これからは、鉄・クロム・アルミ合金を積層造形で利用して新しい製品を製造できるようになります」

Muren氏は積層造形の利点の中でも、とりわけ試作プロセスの期間短縮、バーナーの性能を最大限発揮できる設計に言及しています。また、製造プロジェクトの結果、流れがよりスムーズになって、はるかに"流体力学的"なノズルが出来上がったと言います。

AGAにとって粉末ベースの積層造形技術を使用することは、従来、除去加工法で使用されている原材料の制約に縛られないことを意味します。 積層造形では、3Dプリンターに送って「スタート」を押すスマート設計でほぼすべての形状を達成できます。 ただし、そのような変化は一夜にして起こるものではありません。

主な課題は、従来の手法にとらわれず、従来の設計者の考え方とはまったく違う考え方をすることでした。

「主な課題は、従来の手法にとらわれず、従来の設計者の考え方とはまったく違う考え方をすることでした」とMuren氏は言います。 「積層製造には、(従来とはまた異なる)他の制約がありますが、それが何なのかまだ割り出していません」

2社は同じように考え、AGAは今、新しい世界を垣間見ようとしています。

「従来の工法もまだ使えると思うし、長年にわたって素晴らしい製品を作り出してきました」Muren氏は言います。 「でも、積層造形はそれ以上です。個人的には、必要に応じて両方を組み合わせれば、今後の発展において最も有望で最強の方法になると思います。 私たちはまったく新しいことを始めたのです」

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当社製品セクションのKanthal®積層造形

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