カテゴリー: 電化 , エアーヒーター
発行済み 27 10月 2020

アルミニウム産業は苦境に陥っています。 世界の需要は減速の兆しを見せていませんが、,炭素を大量に排出するプロセスで排出量を減らす必要性は高まっています。 ガスバーナーから電化への切り替えが答えの一部かもしれません。

アルミニウムはすでに、世界で最も多用途に利用されている鉱物の一種です。 飛行機や車から食品包装や調理器具、その他あらゆる物の製造に使用されています。 特に中国での人口増加とより大きな繁栄によって、グローバルな需要が高まっています。 環境への配慮に対する関心も高まっています。というのは、アルミニウムはより軽量な車両や航空機の建造ますます多く使われるようになっており、リサイクルしやすいため、他の金属と比べてより持続可能なオプションとなっています。

ただし、その最大の欠点は、一次生産工程で大量のエネルギーを消費し、高いレベルのCO2排出が出ることです。 実際、現在の世界の平均として、アルミニウムが1トン生産されるごとに11.5トンのCO2が排出されています。 全体としては、世界の温室効果ガス排出量の0.8%はアルミニウム生産によるものです。

有望な不活性アノード技術

その排出量の大半(約90パーセント)は、精製アルミナが溶融アルミニウムに製錬される還元過程で生じます。 そのため、製造プロセスのこの部分には、多くの有望なイニシアチブが集中しています。 Rio TintoとAlcoaの合弁事業であるElysisは現在、不活性アノード技術に取り組んで、炭素の代わりに酸素を放出する製錬プロセスを開発しています。 低炭素アルミニウムの世界大手メーカーの一社であるRusalは、不活性アノード技術の可能性も調査しており、2023年までにロシアのクラスノヤルスク工場で大規模生産を開始したいと考えています。

CaptionOle Stadum, Sales Area Manager, Kanthal.「不活性アノード技術を完成できれば、それはつまり、還元過程でのCO2排出量がほぼゼロになることを意味し、革新的な出来事になります」 と、Kanthalの営業エリアマネージャー、Ole Stadumは言います。それまでの間、現時点では工程のこの部分に対してできることはあまりありません。 ただし、エネルギー消費量とCO2排出量の削減のため、アルミニウムメーカーがもっと下流の工程で講じられる対策はほかにもあります。それは、ガスバーナーから電気式ヒーティングに変えることです」

さらなる効率化への動き

還元過程の後、アルミニウムが保持炉、鋳造所に順次運ばれる際、生産プロセスには多数の加熱処理が伴います。 安全上の理由から、溶融金属と接触するの機器はすべて予熱し、完全に乾燥する必要があります。湿気に触れると爆発する恐れがあるためです。 これまで、この予熱の大半はガスバーナーで行われています。 しかし、電気式ヒーターを代わりに使用すると、エネルギー効率を大幅に改善し、アルミニウム生産用途の場合、CO2排出量を実質ゼロに減らすことができます。

「それは、電気式ヒーティングの方がはるかに精度が高く、効率的だからです」とStadumは説明します。ガスガーナーシステムの全体的な効率性は通常、15~30パーセントの範囲内で、ガスバーナーによる熱の残りは煙突に消えるか、周囲の環境に直接出ていきます。 ただし電気部品なら、効率性は通常90~95パーセントです。 既存のガスオイルバーナーを電化ソリューションに交換したお客様からはとても良い数値が出ており、大きな節約が見られます」

ポットセルから溶融金属を取り出すために使われるサイホン/タッピングチューブには、電気式エアフローヒーターを予熱とクリーニングに使用できます。 運搬用キュービクルには、金属製カートリッジまたは炭化ケイ素(SiC)ヒーターを使用できます。

鋳造所のエネルギー消費量の削減

鋳造所では、バーナーから電気式に切り替えられた保持炉でのエネルギー消費量とドロス形成の両方が削減されます。 ラジアントチューブシステムのカートリッジ発熱体によって加熱された保持炉で金属が混合され、合金化されると、通常はラウンダーを使って金属が鋳造ステーションに運ばれます。 ラウンダーが十分に予熱されている場合、温度降下を防ぐ助けになり、保持炉内でより低い温度を保てるため、エネルギーの節約になり、保持炉で形成されるドロスが低減します。

フローヒーターはこのような役割でこそ、非常に効果的に力を発揮できます。 あるいはSiCヒーター、または金属ヒーターを備えたセラミック繊維モジュールを使って、ラウンダーをクリーニング用に容易に開閉できるヒンジソリューションを実現できます。

保持炉と鋳造所の間でろ過が必要な、より高い品質グレードのアルミニウムの場合、カートリッジまたはSiCヒーターを使って、鋳造サイクルの間にフィルターを加熱およびクリーニングできます。

フローヒーターで効率アップ

脱ガス装置の予熱には、フローヒーターが非常に効率的であることが実証されており、ガスバーナーに比べてはるかに短時間で高温に達します。 フローヒーターは、カートリッジの交換後、および生産稼働の合間に、セラミック発泡フィルター(CFF)を高速予熱する場合にも使用できます。

鋳造ステーション内では、黒鉛被膜の塗布後、二珪化モリブデン(MoSi2)発熱体を備えたセラミック繊維モジュールが非常に効果的に、鋳型からすべての水気を乾燥させます。

ロッディング工場では、電気式取鍋ヒーティングシステムを使って、鋳鉄用の取鍋とキュービクルをの乾燥と予熱を行うことができます。 MoSi2発熱体も、アノードブロックのスタブホールの乾燥、黒鉛被膜付きスタブの乾燥に使用できます。 MoSi2 電気式ヒーティングを使うと、カソードシーリングを安全に、効率よく行うことができます。

CO2排出量を減らせる多くの可能性

電化ソリューションを利用するとこれらのいずれの用途でも、効率的に高速加熱され、従来のガス/オイルバーナーよりのエネルギー消費量とCO2排出量が低減します。

「当社は、より優れた持続可能性へと移行するアルミニウム生産工場を数多く見ていますが、還元過程で達成できることはあまりないため、下流の他の生産工程で排出量を減らすことが重要です」と Stadumは言います。 「ガスから電気に切り替えることで、エネルギー消費量を大幅に節約し、CO2排出量を抑えることができます。 ガスと電気の価格が同じでも、電気式ヒーティングの効率性は非常に高いので、結果はプラスになります」

Products that can help aluminum producers make the transition to electrification

  • Flow heaters: Preheating and cleaning of siphon/tapping tubes; preheating and maintaining high temperatures in the launder; rapid preheating of degassing units and ceramic foam filters (CFFs).
  • Tubothal® heating elements: Drying and preheating of transport crucibles; preheating and cleaning of filters between casting cycles.
  • Globar® heating elements: Drying and preheating of transport crucibles; preheating and cleaning of filters between casting cycles; preheating and maintaining high temperatures in the launder.
  • Fibrothal® heating modules: Preheating and maintaining high temperatures in the launder.
  • Superthal® heating modules: Drying and preheating of casting molds; drying stub holes in anode blocks; drying graphite coating studs.
  • Heliothal ladle heating systems: Drying and preheating of transport ladles and crucibles for cast iron.