1. 化石燃料の価格が上昇している…

ロシアのウクライナ侵攻は、世界のエネルギー供給ライン、特に天然ガスに前例のない影響を与えています。 これにより、アジアと欧州のガスと石炭の価格は2022年に過去最高に達し、世界全体でも並外れて高い水準に達しました。 IEAの最新の電力市場レポート2023によると、価格は少なくとも2025年までは高止まりすると予想されており、再生可能エネルギーは経済的観点からますます魅力的になっています。

2. …一方、再生可能燃料の価格は下落している

2010年から2020年の10年間で、再生可能燃料のコストが急落し、例えば太陽光発電は85%下落しました。 そして、価格はまだ下落しています。 オックスフォード大学による研究によると、今後数十年の化石燃料と再生可能エネルギーの両方について予想される価格予測をモデル化し、移行が実現すれば2050年までに世界のエネルギーコストを最大12兆米ドル削減できると推定している。

3. エネルギーの安全保障の必要性がグリーンエネルギーへの移行を加速させている

ロシアのウクライナ侵攻に付随して起きたことの1つは、多くの国、特に欧州の国々がロシアのガスと石油への依存をやめざるを得なくなったことです。 これにより、多くの政府はグリーンエネルギーへの移行を加速させています。 例えば、EUはREPowerEU計画でこの危機に対応しており、再生可能エネルギーへの大規模な投資が、欧州大陸のロシアへの依存を終わらせる鍵と考えられています。

4. カーボンプライシングにより、化石燃料はより高価になり、再生可能エネルギーはより安価になっている

2022年には、68の炭素価格設定メカニズムが世界的に導入されており、通常は炭素税または排出量取引制度のいずれかの形をとっていました。 将来的に低炭素経済に対応するために、多くの多国籍企業は社内独自のカーボンプライシング制度も導入しています。 炭素の価格が上昇するにつれて、炭素集約型産業が代替手段として再生可能エネルギーを求めるインセンティブが高まります。 そして、多くの国では、カーボンプライシングによって得られた収益は、再生可能エネルギーの研究開発に再投資されています。

5. 政府はクリーンエネルギーを奨励し続けている

2022年8月、米国政府は約3,690億米ドルを再生可能エネルギーに投資することによって経済成長を促進することを目的としたインフレ抑制法 (IRA) を成立させました。 一方、EUのREPowerEUおよびFit for 55イニシアティブ、ならびに中国の1+N政策には、いずれもクリーンエネルギーへの投資を奨励するメカニズムが含まれています。

6. 蓄電池容量の急速な増加により、太陽光発電と風力発電の信頼性が高まる

風力発電や太陽光発電の限界の1つは、気象条件に依存するため、24時間365日継続的かつ安定した電力を供給できないことです。 しかし、ピーク時に生成されたエネルギーを後で使用するために蓄電することができれば、この問題を克服することができます。 2022年には、エネルギー貯蔵用の蓄電池容量は、米国で80%以上、中国でほぼ100%、欧州で約35%、OECD太平洋諸国 (日本、韓国、オーストラリアなど) で90%増加しました。